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江戸時代の将棋 3

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3.段位

 18世紀に入ると、名人を基準にした段位も決められる。そして将棋三家は段位を明記した免状の付与を行う。これによって将棋家の権威は高まり、庶民への指導普及も浸透する。
 ここで、段位設定規準についての資料を紹介する。「半日閑話 三」によると、次のように記されている。
  一六誹園立路の随筆「寝覚硯」の内容として次の記録がある。
  将棋初段(が名人と対戦する場合)は飛車・香車の2つを省く、二段の場合は飛車・香車落としが一番と飛車だけを落として一番指し、三段の場合は飛車を落とし、四段の場合は飛車を落として一番と角行を落として一番指し、五段の場合は角行を落とし、六段の場合は角行・香車落とし〔角行落とし一番・香車落とし一番の意味か〕、七段の場合は香車落とし、八段の場合は香車落としが一番と対等の対戦が一番指す。九段は免状を出す。※〔 〕内は筆者注。
 また、「将棋奇戦 上」には「将棋段位駒落圖」に次の段位名称が併記されている(駒落略)。
  九段(名人) 八段(半名人) 七段(上手) 六段(上手間手合) 五段(上手並) 四段(強片馬) 三段(並片馬) 二段 初段