関西を拠点に新しい発想で多彩なテーマに挑戦。幅広い研究領域と調査活動から゛商業゛のメカニズムを読み解く。

寅 上方富興行 16

HOME > 企画展 > 富札展 > 寅 上方富興行 16

丹生寺萬人講

 丹波の丹生寺の萬人講は、鶴と亀の2印があり、1印の発行枚数が5000枚、両方合せて10000枚になります。札料が高く金1分です。売上金額は金2500両で、当り金額は金1534両1分だから、965両3分の差益が出ます。当り金額の最高が金500両ですから、関西の富札の特徴がよく出ています。〈当り金五両以上二割ツツ奉納可被下候〉の文言に従うと、これに該当する当選者は28人で、この賞金総額は850両、この内2割分の金170両が寺の懐に転がり込むことになります。札が完売した場合、賞金との差益965両3分とこの170両が利益になりますから、その計算では、利益総額金1135両3分となり、売上金額のほぼ半分が実収入となる勘定になります。


丹生寺萬人講仕法書(吉田昭二氏所蔵)