飛鳥御殿の稲荷大明神では、富籤というより〈御福引〉として賞品を支給しています。〈米五斗〉〈蓋茶碗十人前〉〈桑煙草盆〉〈鏡台〉〈八寸鏡〉〈茶呑茶碗弐十人前〉〈渋蛇の目傘〉〈白木綿〉〈木綿嶋〉〈手拭〉などを福引の景品としていました。御初穂代が六銅ですから、銭6文で数字が書かれた紙札を購入できたのでしょう。 札数も不明なので、賞品の合計金額を銭6文で割った数字以上の富札を販売できれば、差益が生じることになります。