寅 上方富興行 4
真如堂の富突
真如堂の富突は、京都の四條道場の境内で興行しました。興行月は、2月・5月・8月・11月の各月11日となっています。札料の記載はなく、春・夏・秋・冬の4印があり、1字9200枚宛で都合36800枚を発行しました。当り数は、2000口で、奉納金1割は他と変わりません。当選金額の総額は、金3193両となります。売上金額を引くと、36800枚かける金2朱では、金4600両になり、差益は金1407両にのぼります。金1朱では赤字になります。ここでも完売すると、大きな売上差益が生じることになります。
しかし、これほどの札が完売したとは信じがたく、売れ残りの札があり、差益はもっと少なかったと考えた方が現実的です。但し売上が80パーセントなら宝金の支払金額も下げた金額に設定されます。〈正金渡〉の文字は、藩札や手形で渡すのではなく、当時の社会で流通している貨幣で渡す、という意味です。
真如堂富仕法(吉田昭二氏所蔵
しかし、これほどの札が完売したとは信じがたく、売れ残りの札があり、差益はもっと少なかったと考えた方が現実的です。但し売上が80パーセントなら宝金の支払金額も下げた金額に設定されます。〈正金渡〉の文字は、藩札や手形で渡すのではなく、当時の社会で流通している貨幣で渡す、という意味です。
真如堂富仕法(吉田昭二氏所蔵