長屋 4
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質疑応答
司会
すみません。時間はオーバーなのですけれども、小田さん。ご質問はいかがですか。
小田
はい。
司会
どなたか、おっしゃってください。ございませんか。はい。
受講者
先ほど、蔵屋敷の武士が接待をかねて茶屋をたびたび利用していたということは、支払い手段は、やはりつけか何かでやっていたか、それとも銀貨か何かで払っていたのでしょうか。
小田
これは、つけだと思います。
受講者
つけ。
小田
はい。節季ごとに、6節季とか5節季がありますので、そのときにまとめて支払いしておりました。
受講者
ああ、わかりました。ありがとうございました。
司会
はい。どうぞ。
受講者
先ほど、金極とか銀極、銭極というお話をお聞きしましたが、これは江戸と大阪では、何か江戸の金使い、大阪の銀使いですか、違ったようなのですけれども、それも違ったのですか。
小田
これにつきましては、大阪が銀使いで、江戸が金使いと言いますのは、実際に使われたお金ではなく、考え方なのです。大阪は、銀を中心に物を考える。江戸は、金を中心に物を考える。それだけなのです。それで実際に流通しているのは、金貨も銭貨も、みんな一緒に流通しています。そうでないと、先ほど申しました金極、銀極、銭極の商慣例が無視されることになるかと思います。流通は、一緒でございます。
受講者
大阪も同じということ。
小田
ええ、同じです。はい。
受講者
慶長小判とか、それから金貨はたびたび吹き替えをやっていましたが、銀貨の吹き替えはありましたのでしょうか。
小田
はい。ありました。金貨も、先ほどの小判を吹き替える時には必ず一分判は4枚で替えるものですから、兄弟みたいなものです。小判を改鋳すれば一分判も改鋳するし、銀貨も同じように改鋳しておりました。徳川時代が260年もった要因です。そこから出る利益、これは莫大なものがありましたから、やはり貨幣の改鋳というのは、やりたかったのではないでしょうか。
受講者
この両替屋の店頭風景のほうの出典をちょっと教えていただきたいのですけれども。
小田
こちらのほうで、よろしいですか。
受講者
裏側はよく見るのですかが、表のほうの6ページ。
小田
こちら側のほうですね。
受講者
6ページの店頭風景のほうです。
小田
これね。
受講者
後ろに載っていたのは出典が出ているのですけれども。
小田
これは、「算法便覧」と言いまして、大阪には福田派と武田派という和算の方がおられまして、それは武田真元という方の書いた「算法便覧」の「日用篇」の下から、これは僕が持っているものですからコピーをしました。福田派のほうは、具体例が多くて、非常に勉強するときはわかりやすいのですが、武田派の欠点といえば説明があまりないのです。だから、非常にわかりにくい。
受講者
後ろのほうはよく見るのですけれども、店頭風景はちょっと珍しいから、お聞きしたのですけれども。
小田
裏のほうは、元禄時代の大阪の図だと思いますが、これは「両替年代記」にあったもので、実態によく即していると思います。
受講者
裏側のほうは、これはよく出ていますね。
小田
そうですね。
受講者
店頭風景のほうは、ちょっとあまり見なかったもので、ありがとうございました。
小田
はい。
受講者
スライドでお見せいただいたあれが算法便覧ですか。
小田
どの分ですか。ちょっと記憶にないですね。これは、武田派。
受講者
……?……。
小田
そうです。同じものです。
受講者
これだけではなくて、……?……も見せていただきましたね。……?……。
小田
蔵屋敷ですか。あれは、『御田祝』という久留米藩の蔵屋敷の本が出ておりまして、そこからちょっと借りました。御という字に、田んぼの田、祝いですね。
受講者
すみません。ちょっとお聞きしたいのですけれども、堂島付近で銀銭を作っていた工房の跡があったというふうに聞いたのですけれども、どの辺りで、そしていつごろからいつごろまでそれが作られていたかということがちょっとわかったら、知らせていただきたい。
小田
銀の鋳造ですか。
受講者
銀銭を作っていた。
小田
僕は、ちょっとよくわからないです。申し訳ないですが。
受講者
また、よく調べて、よろしくお願いします。わかったら、教えてください。
受講者
6ページの両替の業務の中で、古金銀の買い付けというのがあるのですけれども、この古金銀というのは、その当時通用しなかった金銀のことを言っているのでしょうか。
小田
いや、そうではなくて、これは先ほど改鋳の話が出たと思いますが、幕府はやはり良質の金貨や良質の銀を買い集めて、悪貨はそのまま市中に置いとき、良質の貨幣を元に改鋳すれば、1.5倍とか2倍、例えば金の含有量が享保だったら86%あるところを、品位を落として60%ぐらいにしたら20%儲かるのです。そういう意味で良質の金銀の買い付けを両替商へ委託したわけです。
司会
これで終わらせていただきます。
小田
どうも、ありがとうございました。(拍手)
すみません。時間はオーバーなのですけれども、小田さん。ご質問はいかがですか。
小田
はい。
司会
どなたか、おっしゃってください。ございませんか。はい。
受講者
先ほど、蔵屋敷の武士が接待をかねて茶屋をたびたび利用していたということは、支払い手段は、やはりつけか何かでやっていたか、それとも銀貨か何かで払っていたのでしょうか。
小田
これは、つけだと思います。
受講者
つけ。
小田
はい。節季ごとに、6節季とか5節季がありますので、そのときにまとめて支払いしておりました。
受講者
ああ、わかりました。ありがとうございました。
司会
はい。どうぞ。
受講者
先ほど、金極とか銀極、銭極というお話をお聞きしましたが、これは江戸と大阪では、何か江戸の金使い、大阪の銀使いですか、違ったようなのですけれども、それも違ったのですか。
小田
これにつきましては、大阪が銀使いで、江戸が金使いと言いますのは、実際に使われたお金ではなく、考え方なのです。大阪は、銀を中心に物を考える。江戸は、金を中心に物を考える。それだけなのです。それで実際に流通しているのは、金貨も銭貨も、みんな一緒に流通しています。そうでないと、先ほど申しました金極、銀極、銭極の商慣例が無視されることになるかと思います。流通は、一緒でございます。
受講者
大阪も同じということ。
小田
ええ、同じです。はい。
受講者
慶長小判とか、それから金貨はたびたび吹き替えをやっていましたが、銀貨の吹き替えはありましたのでしょうか。
小田
はい。ありました。金貨も、先ほどの小判を吹き替える時には必ず一分判は4枚で替えるものですから、兄弟みたいなものです。小判を改鋳すれば一分判も改鋳するし、銀貨も同じように改鋳しておりました。徳川時代が260年もった要因です。そこから出る利益、これは莫大なものがありましたから、やはり貨幣の改鋳というのは、やりたかったのではないでしょうか。
受講者
この両替屋の店頭風景のほうの出典をちょっと教えていただきたいのですけれども。
小田
こちらのほうで、よろしいですか。
受講者
裏側はよく見るのですかが、表のほうの6ページ。
小田
こちら側のほうですね。
受講者
6ページの店頭風景のほうです。
小田
これね。
受講者
後ろに載っていたのは出典が出ているのですけれども。
小田
これは、「算法便覧」と言いまして、大阪には福田派と武田派という和算の方がおられまして、それは武田真元という方の書いた「算法便覧」の「日用篇」の下から、これは僕が持っているものですからコピーをしました。福田派のほうは、具体例が多くて、非常に勉強するときはわかりやすいのですが、武田派の欠点といえば説明があまりないのです。だから、非常にわかりにくい。
受講者
後ろのほうはよく見るのですけれども、店頭風景はちょっと珍しいから、お聞きしたのですけれども。
小田
裏のほうは、元禄時代の大阪の図だと思いますが、これは「両替年代記」にあったもので、実態によく即していると思います。
受講者
裏側のほうは、これはよく出ていますね。
小田
そうですね。
受講者
店頭風景のほうは、ちょっとあまり見なかったもので、ありがとうございました。
小田
はい。
受講者
スライドでお見せいただいたあれが算法便覧ですか。
小田
どの分ですか。ちょっと記憶にないですね。これは、武田派。
受講者
……?……。
小田
そうです。同じものです。
受講者
これだけではなくて、……?……も見せていただきましたね。……?……。
小田
蔵屋敷ですか。あれは、『御田祝』という久留米藩の蔵屋敷の本が出ておりまして、そこからちょっと借りました。御という字に、田んぼの田、祝いですね。
受講者
すみません。ちょっとお聞きしたいのですけれども、堂島付近で銀銭を作っていた工房の跡があったというふうに聞いたのですけれども、どの辺りで、そしていつごろからいつごろまでそれが作られていたかということがちょっとわかったら、知らせていただきたい。
小田
銀の鋳造ですか。
受講者
銀銭を作っていた。
小田
僕は、ちょっとよくわからないです。申し訳ないですが。
受講者
また、よく調べて、よろしくお願いします。わかったら、教えてください。
受講者
6ページの両替の業務の中で、古金銀の買い付けというのがあるのですけれども、この古金銀というのは、その当時通用しなかった金銀のことを言っているのでしょうか。
小田
いや、そうではなくて、これは先ほど改鋳の話が出たと思いますが、幕府はやはり良質の金貨や良質の銀を買い集めて、悪貨はそのまま市中に置いとき、良質の貨幣を元に改鋳すれば、1.5倍とか2倍、例えば金の含有量が享保だったら86%あるところを、品位を落として60%ぐらいにしたら20%儲かるのです。そういう意味で良質の金銀の買い付けを両替商へ委託したわけです。
司会
これで終わらせていただきます。
小田
どうも、ありがとうございました。(拍手)