両替屋 2
HOME > 歴史素描 > 江戸時代の町を歩けば > 両替屋 2
①両替屋店頭風景の説明
両替屋店頭風景
それでは、6ページの下に「両替屋店頭風景」というのがありますが、これは主人です。貨幣を秤にかけているところです。帳面が2本ほど下がっております。お皿のようなのが取り鉢です。この袋の中に、金貨が入っているのでしょう。手代みたいなのがここに入っている銀貨をかき集めておりますね。これは、算盤をはじいておりますね。多分このお客は金銀のお金の借り入れの話をしているのではないかなと思うのです。ここら辺は、小僧が銭緡を勘定しております。
当時、1文、2文も使用できるのですが、100枚、通常のものは丁百と呼ばれて丁銭になっておりましたし、九六百というのは96枚しかなくて100文に通用させた。両方あったものですから、おそらくそういった数の勘定と、悪いお金、雁首銭を言いますが、雁首銭というのは煙管の雁首があります、それをピシャッと叩くのです。そうすると、楕円形に広がるのですが、そういう銭でないものを混ぜたり、絵銭と呼ばれている上棟銭・大黒銭とか、貨幣でないものを混ぜていることがあるものです、そういったものをチェックしているのです。
これが、その銭です。緡した銭の束ですね。これは金袋ですね。金袋というのは革で作られているのですが、この中に金貨が入っているのだと思います。この人は両替の通いを持っていますから、今で言うと通帳です。この通帳から見ると、これを持ってお金を預けに来たのだと思います。こちらは、相場書みたいなものを持っていますが、これはよくわからないです。何か聞かれて喋っているのでしょう。
ここに暖簾があるのですが、これは大阪の両替屋でしょうが、中をよく見せるためにわざと暖簾を小さくして描いたと思うのです。大きな両替店というのは看板というものがありません、このように紺で無地、長さが6尺ぐらい、そういうものが掛けられています。店をわかりやすくするために想像して書いたと言われています。